行ったぜDreamforce2023 Day3:Manufacturing Cloud
(2023/09/18追記)
いよいよDay3です。
オプロの飛鋪です。
疲労もピークです。
以前のDreamforceは4日間ありましたよね。
よく4日間もブースで店番できたもんだな、と感慨深いですが、英語漬けだと、身体に加えて、脳みそもグロッキーです。
そして、相変わらずインド系の方々の発音が少々苦手です・・・。
と、泣き言を言ってもいられないので、頑張ってインプットしに行きます。
Manufacturing Keynote
Manufacturing Cloudは、われわれの「モノスク」と対象領域が重なるところがあるのではないかと考えていました。
今回のKeynoteを聞く限り、重なるところはゼロではないけれども、価値提供の対象が異なるな、と感じました。
ですが、モノスクの機能として提供することで、モノスクの価値を上げられる領域として、モノスクの機能強化のオプションとして、我々も考えた方が良いな、と思った機能がありました。
3つ紹介します(席がスクリーンに近すぎて極斜め)。
1.Connected Twin(Connected Asset)
いわゆる「デジタル・ツイン」とまではいかなくても、Asset(顧客に提供する装置・プロダクト)の状態ログやイベントログを、Salesforce Data Cloudに蓄積し、そのデータをもとに動作設定を変更したり、予防保守に活かしたりする機能を指しているようです。
Manufacturing Cloud上で行った設定変更が、そのまま実際のエレベーターの設定に反映されたりする動きも紹介していました。KOMTRAXみたいなイメージでしょうか。
ただ、このようなイベントデータや状態データ・温度データなどは、測定頻度にもよりますが、膨大なデータ量になります。
一般的なSalesforceのレコードで記録していったら、データ・ストレージが大変なことになりますので、CDPのような保管場所と、膨大なデータを集計したり意味づけをして、判断に使えるような加工が必要になります。携帯電話会社のBilling Mediationのようなイメージでしょうか。この機能は、Manufacturing CloudではEvent Orchestrationと呼んでいるようです。
なぜこの機能を取り上げたかというと、モノスクのユーザさんからも、装置の利用データを活かして、ビジネスモデルを作りたい、といったお話を良く伺うからです。
既に、いろいろ動いているのですが、多くの場合、AmazonのS3などにイベントデータを蓄積し、集計後のデータをモノスクに流し込むような動きを検討されるケースが多いです。
ここをSalesforceプラットフォームに集約することで、よりリアルタイムに精度と鮮度の高いコントロールが可能になるのではないかと思っています。
うーむ、とうとうData Cloud必須の時代がやってきたか。
2.Asset Centric View
Connected Twinとも関連しますが、集計と分析の切り口をAsset(顧客に提供する装置・プロダクト)を軸に行うっぽいです。
契約単位や商談単位、顧客単位、工場単位、という見方もできるのだと思いますが、Assetの切り口でみてみると、もしかしたら「このロットは故障が多い」とか、「◯◯の条件だと、この機種は消耗がはげしい」とか、改善の緒が見つけやすいということのようです。
Salesforceの多くのプロダクトは、顧客視点だったり、商談視点だったり、Customerという視点が重視されていると思います。
もちろん、Customer Successは重要なわけですが、ただ、そのために、見方を変えてAssetベースで見てみることも必要ということだと思います。
余談ですが、前日のDay2で"Asset and Subscription Management"という箇所を書きながら、どうして、ProductとかGoodsじゃないのかな?と思っていましたが、なんとなくわかりました。きっとManufacturing Cloudとつなげるためでしょうね(推測)。
業務プロセス全部Salesforceで実装しましょう、というメッセージですね。
3.Claim Analysis
今度はお客様や販売店からの問い合わせやクレームも、顧客カットや製品カットで集計・分析できる機能です。
モノスクの場合、いまのところ直販形態でモノのサブスクを展開されているユーザさんが多い印象ですが、お客様が増え、代理店などを設定すると、こういった機能が必要になるのだと思います。
ちなみにモノスクでは、エンドユーザさんからの問い合わせをAsset単位で受け付けることができる「マイページ機能」を提供しています。
集計自体は、上記のログデータと違いレコードに保存することで対処でき、切り口も設定できると思うのですが、そこにメンテナンススケジュールやライフサイクルの視点が入ってきます。
バッテリー交換やセンサーチェックなど、予防保守を行うことで、顧客満足度を上げるだけでなく、アップセル/クロスセルの機会点にもなり得る、という説明でした。
再びRevenue Cloud
Revenue Cloudが気になりすぎて、Day3も事例やデモを見に行ってきました。
1つ目の事例セッションについては、投影資料はほぼなく、SailPointというIAMの会社の CIOさんはじめ、Trimble、Enverus、3社のユーザさんが登壇するようなスケジュールでしたが、お話されていたのはSailPointの女性のCIOのみ。
てっきりサブスクも使っていると思っていたのですが、どうもパートナーさんとの取引(インプリパートナーさんっぽい)を中心としたプロセスの話がメインのようでした。
Zuoraだと仕入れができなくて、Salesforce上で一気通貫にプロセス組めない(ここでも出てくる『フロースルー』にならない)とか。
要件定義、KPI設計を4回もやり直した、とか。
質問コーナーでは、「導入にはどのくらいコストがかかりましたか?」という質問に「とてもかかった(Definitly Big One)」って答えてたり、「Change Managementはどのように進めましたか?」という質問に「Just Do It」って答えてたり、参考になったような、なってないような・・・。
ま、でも海外の事例って、動画では美しく喋ってくれるのだけど、Liveだとこんな感じなのかな、と。
最後に、Revenue Cloudの核となるCPQの製品セッション「CPQって何ができるの?」みたいなセッションを聞いてきました。
例によって、オープンスペースでヘッドセット必須の会場です。
Day1のように、ヘッドセット売り切れにならないように早めに行ったつもりでしたが、ギリギリでした・・・。
でも、なんとかヘッドホンをゲットして視聴します。
概要説明から始まりますが、ここの説明はRevenue Cloudと同じ。
そして、Revenue CloudはCPQを核としたSuite製品なんだよ、という説明もされました。
いきなり見積もり作成、Quoteですね。
ソアスクの古い見積もり画面と似た感じの見積もり画面です(ちなみに最新のソアスクの見積画面は、もうちょっと洗練されています)。
続いてワークフローです。
Salesforceのワークフローって、日本ではわりと注目度が高いのに、あまり説明されてこなかった機能に感じています。
でも、CPQ・Revenue Cloudでは違います。
見慣れないレイヤー画面が表示されています。
Advanced Approvalsという機能です。
Slackとも連携するようです。
コンプライアンスを考えると、見積もりの承認プロセスは大変重要である、と。
値引き幅に応じて、承認のプロセスも増えていくと。15%ディスカウントなら直上のマネジャー、25%なら、さらにその上、みたいな。
日本と同じような承認プロセスを、海外でも使われるんだな、と思いました。日本企業で良く課題に挙がる「組織変更予約機能」とかも追加されていると嬉しいですね。
続いて、SalesforceからWordファイルやパワポファイルを出力できる機能、Doc Genです。
この機能は、CPQ PlusやIndustory Cloudには標準でついてくる機能らしいですが(Manufacturing Cloudは1ユーザ5万円とか!?)、初めて実物を見ました。
見積もり条件などから生成されるSales Agreementのデータをもとに、Office365と連携して、Wordファイルを出力し、法務部門が修正して、戻すと、Salesforce側のファイルも更新されています。
なかなかいろんな機能があるのだな、と改めて思いました。
いろいろセッションも見ましたが、たしかにWebでは感じられない現場の空気感や高揚感、場合によってはあまり盛り上がってない感、というのも感じられるので、Dreamforceに参加することはモチベーションアップには効きそうです。
一方で、録画配信(Salesforce+)でも視聴はできるので、自分でも振り返ってみて、理解を深めたいと思います。
下の写真は、Salesforce+Live配信の風景です。
明日は帰国になりますので、帰って体力があれば、番外編のブログでも書きたいと思います。→書きました
引き続きオプロを宜しくお願いいたします。