いろんなデータを自在に組合せたいなら「ViewFramer(ビューフレーマー)」
『ViewFramer(ビューフレーマー)』は帳票DXに含まれている機能のひとつです。
Salesforceあるいはkintoneのデータを集約して新しい仮想テーブルを作る、そんな機能です。必ずしも使う機能でないことや、ある程度データベースの知識がないとイメージがしにくかったり、説明するにも「なんか難しいことができる感じです」ってふんわりしてしまったりと、ちょっと説明しにくくて避けられがちな機能だったりします。
でも、ViewFramerはすごいんです。この記事ではViewFramerを使用した実際の帳票例をいくつかご紹介します。
例1)請求書を取引先ごとにまとめる
卸売業などでは
- 月に何件も同じ取引先とやり取りがあるので請求レコードが複数ある
- 月末に一括で請求するので、複数の請求レコードを1件の請求書にしたい
- 一気にまとめて行いたい
ということがあるかと思います。
通常の帳票アプリでは、レコード単位での帳票作成になるので同じ取引先宛の複数の請求書ができあがります。でもそれだとスマートじゃないですよね。
ViewFramerを使えば、請求先をキーにしてデータのまとまりを再構築できますので、請求先単位の請求書にすることができます。
Salesforceのデータの持ち方を変えればViewFramerでなくとも作れるのですが、すでに運用が始まっている場合などそう簡単にデータ構造を変えられませんよね。運用にも関わります。
そんな時、帳票側でいい感じにデータを組み替えてほしいという時に使えるのがViewFramerです。
Salesforceに登録されている行単位を取引先単位に組み替えると、例1のような帳票にできます。
例2)サマリー表を作る
明細行にグループ計を挿入したり明細に抽出条件をつけたりといったことはViewFramerでなくてもできるのですが、縦横で集計するレポートはViewFramerを使って作成します。たとえば、予実表のように月ごとに予算と実績のを合計するものや、損益計算書のような決められた費目ごとに集計・計算をするものなど。
アンケート結果などを他社に提示する業務での活用例を聞いています。社内であればレポートでいいですが、社外に報告するとなるとPDFやExcel、PowerPointで出したいですよね。お問い合わせの一覧を出したいというのもよくあります。
例3)顧客個別管理シートを作る
『kintoneの複数アプリからデータをかき集めて1枚の表を作りたい』とか『参照関係のない(または遠い)複数のSalesforceオブジェクトのデータを1枚の取引先カルテにまとめて報告したい』といったことはありませんか?
その一例として、「顧客個別管理シート」の作成のご相談をわりとよくいただきます。
顧客個別管理シートとは、過去の商談リスト、直近の活動履歴、先方の取引先責任者のリスト、誰と名刺交換をいつしたことがあるか...。ということを一枚にまとめたものです。帳票名としては、顧客管理シート、取引先カルテ、顧客個別管理シート、顧客カルテ......などいろんな呼び方があると思います。営業規模の大きな会社で役員が商談同行することになった時にさっと出すという用途を聞いたことがあります。
一見シンプルなデザインの帳票ですが、集めてくる情報がいろいろなところに散らばっていますし、テーブルが複数あるので一般のアプリだと作成しきれなかったりします。
最新〇件、役職者以上、〇円以上......など抽出条件も細かくなってきます。
▼この例はPDFですが、Excelで出力して必要事項を付け足すことも多いです。
おわり
ViewFramerでできる代表的な帳票をご紹介しました。
ViewFramerはSalesforceにクエリを投げる機能で、クエリをGUIで作成できるのが強みです。作りたい帳票に必要なデータの形を思い描く力も必要ですが、クエリの感覚がわかる方であれば使いこなせると思います。自分では使えないかなと思っても、帳票作成を請け負うサービスがありますのでお任せください。
帳票アプリの標準機能で「あれ?できない?」と思ったら、きっとViewFramerが活躍します。
以上、帳票のお困りごとにハマる機能、ViewFramerでした。